▼ 01 話をするのは、残酷でありそれと同様に勇気でもある……。 05 「お前が三並あゆか?」 突然ベランダから聞こえてきた声に驚き、バッと勢いよく振り向く。 「ちゃおっす!ディーノ」 「リボーン!?どうしてここに……」 あゆからの位置でも窓から部屋側に向かって座り、足をブラブラとさせているリボーンが見える。 「あゆに興味をもったからな」 「えっ?私?」 話の展開についていけず首を傾げる。そんなこと知る由もなくリボーンはベットの上に飛び乗る。 「お前この世界の人間じゃねぇな?」 突然の言葉に返す言葉が見つからない。 「なっ!?何言ってんだ?そんな訳ないよな?」 焦ったようにあゆの姿を見ようと振り返る。 しかし 次の瞬間に耳を疑った。 「……どうして………?」 知られたくなかった…。 変に思いましたよね? 軽蔑しますよね? 「話しを聞いた時に、興味をもった。それでお前を見て確信した」 「……確信?」 声がかすれる。流れそうになる涙を必死に止めて耳を澄ます。 「リボーン!お前あゆを今初めて見たんだろ?それなのに確信って……」 「そうだぞ。だがな、予感はしていた。まさか…ディーノが連れてくるとは思わなかったがな」 「……わっ私は……」 言わなくてはいけない。 真実を、伝えなくては進めない。 前に……。 「……あゆ」 悲しそうな瞳で見つめないで下さい。 「お前ら聞け。ここからが本題だ」 「えっ?」 私は、肯定も否定もしてない…。 「分かってるぞ。だけどな……お前の態度が肯定を示してるんだ。まぁディーノは認めたくないらしいがな…」 そっか……。 「私から話さないとダメだね…」 「あぁ。俺もお前がこっちにどうやって来たのかを聞きたかったからな」 心を落ち着かせ、ポツポツと言葉を紡ぎ始める。 「私はこの世界の人間ではありません。私は高校生で、毎日普通に学校に通っていました。リボーン…この世界のことは友達から聞きました」 「どういうことだ?」 「漫画の世界なんです……ここは」 「「…」」 「友達がこの本が好きなのでよく表紙など見せられました。1番よく見せられていたのが………思い違いでなければ、ディーノさんです。そして事件は起こりました。私は、学校からの帰り道事故にあったのです」 「それで気がついたらこっちにいたんだな?」 「はい。イタリアにいました」 「そうか……」 沈黙が怖い。 どうか嫌わないで。 「私の話はこれで終わりです」 「辛いこと思い出させて悪かったな」 「いぇ……いずれは話そなくてはと思っていましたから」 「あぁ……」 「どうしたんですか?リボーンさん?」 「リボーンでいいぞ。あぁちょっと。用事を思い出してな」 「そうですか」 今帰られたら私とディーノさん2人……。 「大丈夫だぞ。あゆ」 「えっ?」 「ディーノは理解しているぞ……多分な」 「おい!リボーン。多分じゃないだろ?」 呆れた顔でリボーンを見つめるディーノさん。 「ディーノさん」 「悪いな。考えがまとまらなくて……。でもあゆは今ここで生きていることに間違いはねぇんだから、関係ねぇよ」 ディーノはさんは、私に笑いかける。 「はい……」 「あゆ」 「また近いうちに会いにくるぞ。次は敬語使うなよ」 「……あっえっ?はい」 私が返事をしたことを確認するとと、リボーンはニヤリと笑って窓から飛び降りた。 (真実が語られた今。彼女に何が…?彼女が来た理由とは?リボーンの用事とは?) . prev|main|next |