心から | ナノ
01




話をするのは、残酷でありそれと同様に勇気でもある……。




05




「お前が三並あゆか?」




突然ベランダから聞こえてきた声に驚き、バッと勢いよく振り向く。




「ちゃおっす!ディーノ」

「リボーン!?どうしてここに……」




あゆからの位置でも窓から部屋側に向かって座り、足をブラブラとさせているリボーンが見える。




「あゆに興味をもったからな」

「えっ?私?」




話の展開についていけず首を傾げる。そんなこと知る由もなくリボーンはベットの上に飛び乗る。




「お前この世界の人間じゃねぇな?」



突然の言葉に返す言葉が見つからない。



「なっ!?何言ってんだ?そんな訳ないよな?」




焦ったようにあゆの姿を見ようと振り返る。


しかし


次の瞬間に耳を疑った。




「……どうして………?」




知られたくなかった…。

変に思いましたよね?

軽蔑しますよね?



「話しを聞いた時に、興味をもった。それでお前を見て確信した」

「……確信?」



声がかすれる。流れそうになる涙を必死に止めて耳を澄ます。



「リボーン!お前あゆを今初めて見たんだろ?それなのに確信って……」

「そうだぞ。だがな、予感はしていた。まさか…ディーノが連れてくるとは思わなかったがな」

「……わっ私は……」



言わなくてはいけない。

真実を、伝えなくては進めない。

前に……。




「……あゆ」



悲しそうな瞳で見つめないで下さい。



「お前ら聞け。ここからが本題だ」

「えっ?」



私は、肯定も否定もしてない…。



「分かってるぞ。だけどな……お前の態度が肯定を示してるんだ。まぁディーノは認めたくないらしいがな…」



そっか……。



「私から話さないとダメだね…」

「あぁ。俺もお前がこっちにどうやって来たのかを聞きたかったからな」




心を落ち着かせ、ポツポツと言葉を紡ぎ始める。




「私はこの世界の人間ではありません。私は高校生で、毎日普通に学校に通っていました。リボーン…この世界のことは友達から聞きました」

「どういうことだ?」

「漫画の世界なんです……ここは」

「「…」」

「友達がこの本が好きなのでよく表紙など見せられました。1番よく見せられていたのが………思い違いでなければ、ディーノさんです。そして事件は起こりました。私は、学校からの帰り道事故にあったのです」

「それで気がついたらこっちにいたんだな?」

「はい。イタリアにいました」

「そうか……」



沈黙が怖い。

どうか嫌わないで。



「私の話はこれで終わりです」

「辛いこと思い出させて悪かったな」

「いぇ……いずれは話そなくてはと思っていましたから」

「あぁ……」

「どうしたんですか?リボーンさん?」

「リボーンでいいぞ。あぁちょっと。用事を思い出してな」

「そうですか」



今帰られたら私とディーノさん2人……。



「大丈夫だぞ。あゆ」

「えっ?」

「ディーノは理解しているぞ……多分な」

「おい!リボーン。多分じゃないだろ?」




呆れた顔でリボーンを見つめるディーノさん。




「ディーノさん」

「悪いな。考えがまとまらなくて……。でもあゆは今ここで生きていることに間違いはねぇんだから、関係ねぇよ」




ディーノはさんは、私に笑いかける。




「はい……」

「あゆ」

「また近いうちに会いにくるぞ。次は敬語使うなよ」

「……あっえっ?はい」




私が返事をしたことを確認するとと、リボーンはニヤリと笑って窓から飛び降りた。




(真実が語られた今。彼女に何が…?彼女が来た理由とは?リボーンの用事とは?)



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