新生活 | ナノ
01


何でこんなことに巻き込まれたのか


誰か


教えて下さい!




平凡な非凡



その人は突然現れた。

私達の目の前に……。




「えっ?俺?いや……えっと」




その人…間違えた。その人達はツナや獄寺くんに似ている男の子だった。




「君誰?」

「はい?」




ツナにそっくりの男の子は、ツナより声が低くよくよく見れば、左目の下に泣きボクロがある。そして一番違ったのは性格だった。

ツナは気弱でダメツナと言われる性格。

しかしその少年は眉間にシワを寄せ、不機嫌そう。



そう雲雀先輩のように……。




「お前達こそ何者だ?」

「何?今俺すっごく機嫌悪いんだよ」

「ヒィ」




自分と同じような顔の少年に恐怖を抱くツナに苦笑してしまう。




「ここは穏便に言った方がいいと思うぜ?なっ?」




獄寺くんに似ている少年は、どちらかと言えば山本くんのような人かもしれない。


………そう無意識に考える。




「あの……とりあえずお茶でもいかがですか?」

「えっ?那津?」




あぁこの発言こそ間違いだったかもしれない。

というか間違いだ。

こんな状況で雲雀先輩のような人がお茶を飲むわけがない。


あの人なら咬み殺すのが最優先だろう。




「そうか?ありがとよ」




獄寺くん似の少年が山本くんのような性格でよかったと心底思った瞬間だった。

まぁその隣から深いため息が聞こえたような気がするが……

気のせいだと思うことにしよう。

とりあえず冷蔵庫にあったお茶を注ぎ、テーブルに置く。


そういえばとツナに目線を送れば、青ざめた顔をしていた。




「とりあえずお前達が先に現れたんだ。どこから来たんだ?」

「それもそうか……俺はボンゴレに所属しているとりあえずジルと名乗っておくか」

「同じくボンゴレに所属している。じゃ俺はイルって名乗っとくぜ」




二人して偽名ですかー?

というかボンゴレに所属?
どういう意味かな?




「ボンゴレファミリーには、お前達のような奴はいないはずだぞ」

「っていうかこの二人マフィア!?」

「……リボーンくん。いないってどういうこと?」

「ボンゴレファミリー?何だ…それは」

「聞いたことないな」

「お前達が言うボンゴレは、ボンゴレファミリーのことじゃないのか?」

「あぁ。俺達が所属しているのはボンゴレファミリーじゃない。それに……まぁいい」

「……じゃどういう意味だ?」

「こちらばかりが情報を提供するなんて馬鹿げてるだろう?」




ジルという少年は、ニヤリと笑うと交換条件だろ?と怪しげな笑みを浮かべた。




「それもそうだな。オイツナ!いい加減にシャキッとしろ」

「イテッ!いきなり叩くなよ。リボーン」

「お前が紹介しろ」

「何で俺が……」

「つべこべ言うな」




ツナに銃口を向けるリボーンくんは、ジルさんに似ているなとどことなく思った。




「分かったから、いちいち銃向けんなよ」

「とっととやれ」

「横暴だね」

「分かってるなら、那津も助けてよ」

「ツナ……今私を巻き込んじゃだめだよ」

「何言ってんだよ!ってヒィ……マジで分かったから」




リボーンくんとジルさんの睨みは、冷え冷えとしていて背筋が凍るようだった。




「俺は沢田綱吉。でっこの赤ん坊はリボーン。こっちの女の子は、三浦那津」

「そうか……」

「それでここはどこか教えてほしいんだけどよ?」

「ここは日本ですが」

「そんなのは見ればわかる。日本語を話しているからな」

「えっと……」

「ダメツナ率いるボンゴレファミリー10代目がいる並盛だ」

「並盛?何だそれは…それに10代目?」

「あぁ知らないよな。……ジル」

「……知らないの?」

「さっさと帰りたいから帰り道教えろ」

「じゃお前達はどこから来たんだよ」



何やら銃を手に持っているリボーン。

いつ発砲するか分からないのが怖い。



「俺達は、森幸から来たんだけど……よ?」

「……森幸?どこ?」

「聞いたことないよね?」

「はぁ?意味が分からない」

「まあまあ落ち着けって」

「落ち着いてる」

「次はそっちのばんだぞ」

「ふっ……そうだな。お前達が敵じゃないのは、分かった」

「そうか!敵じゃないんだな。なら本名言っても支障ねぇな?」

「あぁ。俺は、沢井誠也だ。コイツは三島准」

「改めてよろしくな」

「「はぁ」」

「でっ?何者だ?」

「ボンゴレカンパニーの4代目候補だ」

「俺は、護系人だ」

「護系人?」

「ボディガードってこと。まぁカンパニーを守るってのもあるけどな」

「守護者か…」

「そういう感じだな」

「カンパニーとは会社のことで間違いないか?」

「会社?そんなもんじゃないさ。……俺も聞きたいことがある」

「何だ?」

「マフィアとは何だ?」

「マフィアを知らないってことは、危ない人達じゃないってことだよな?リボーン」

「えっ?そうなの?」

「違うな」

「へっ?」

「そうだな。危ないというのをどういう意味で言ってるか知らないが、それは否定しておく」

「否定?」

「ってことは危ない人?ヤバいよ」

「いちいちびびんな!」



バシンと強烈な一発がツナに入る。

隣の私は言わぬが仏とばかりに口を石のように固く閉じた。




「とりあえずマフィアについて説明するぞ。俺達マフィアは、イタリアに本部を置く暗殺や密輸など犯罪に携わる秘密結社だ」

「……秘密なのに俺に暴露しすぎだろ!」

「テメェは関係者だからな」




ニヤリと笑うリボーンの姿に背筋がゾクゾクする。




「秘密結社か……俺達のカンパニーと変わらないな」

「そうだな」

「どういう意味だ?」

「俺達ボンゴレカンパニーも秘密結社ってことだ」

「ねぇリボーンくん」

「何だ?那津」

「ボンゴレファミリーとボンゴレカンパニーって一緒じゃないのかな?」

「はぁ?なわけないだろ!那津」

「いや……那津の言う通りかもしれねぇな」

「俺もそう思う」

「よく分からないけど、セイが言うならそうだろうな」

「セイ?」

「…通称セイって言われてるんだよ。コイツ」

「「へぇ」」

「そうなるとお前達はこの世界の奴じゃねぇのかもしれねぇな」

「なわけないって!ねぇ沢井さん?」

「誠也でいい。有り得ない話じゃない」

「んっ?何でだ?」

「簡単だ。ここの言葉や地名は俺の世界には存在しない」

「……この人分析すごっ」

「ツナ負けてるよ?」

「最初から俺勝つ気ないし」

「まったくちったぁ成長しやがれ」

「いちいち殴るな!」

「じゃ誠也くん達は、これからどうするの?」

「ここに住めばいいぞ!俺がママンに事情は説明するからな。それにいきなり現れたんだ。ここにいる方が帰れる可能性は高いぞ」

「なっ!勝手に決めんなよ。リボーン」

「仕方ないもーん。もう決まったもーん」

「可愛い子ぶっても可愛いくないから」




(こうしてまた二人居候が増えました。ランボくん、イーピンちゃん、フゥ太くん、ビアンキさん、そして私。またまた大波乱の予感です)


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