▼ 01 いつまでも このままでいられる そう思っていた 「ちょっと待とうか。切原赤也」 「何だよ」 「いやいや幼なじみの私に何か言うことあるでしょう?」 「秋に?ある訳ねぇじゃん」 「赤也!……柳先輩好きな人いるって言ってくれれば」 「告白しなかったのにってか?勝手だな」 赤也は、いつも柳先輩の話しをすると不機嫌になる。私もどうしたらいいか分からず、曖昧に過ごしてしまっていた。 「バカ也のせいだー」 あぁ嫌われた。 こんなことなら、応援するんじゃなかった。 赤也が教えてくれれば結末変わってたかもしれないのに。 「ケッ。柳先輩に嫌われたからって泣くなよ。女々しい奴」 「………?」 一瞬何言われてるか分からずポカンと赤也をみる。次第に頭が整理がついてくると次に怒りと悲しみが沸いてくる。 「あぁだから女って奴は嫌いだぜ」 「ちょっと赤也?意味不明」 「はぁ?柳先輩に振られて頭も余計悪くなったのかよ」 「柳先輩に振られて?………私振られてないし告ってないもん」 「何言ってんだよ!」 「それより、赤也は女が嫌いなの?」 赤也は、目を見開き丸くするが、何も言葉を発そうとしない。 「赤也。答えて」 「………嫌いだよ」 「じゃ私のことも嫌いなのに、無理して一緒にいてくれたの?」 「そういう訳じゃねぇ」 「じゃどういう訳?」 「俺は、別に秋のことは嫌いじゃねぇし」 「好きでもないってことだよね」 自嘲気味の声に我ながら嫌気がさす。 こんなに思ってるのに。 こんなに近くにいるのに。 赤也の気持ちは遠いんだね。 「そっか。ならこの関係おしまいにしよう」 「急に何言い出すんだよ。やめれるわけ「赤也。大好きだよ」 「なっ!」 「だから負担になりたくないの」 「ちょっと待て秋は、柳先輩が好きなんだろ?」 「どこでそうなったのかは知らないけど……違う。私は前から切原赤也だけが好き」 赤也は、目を大きく見開くとため息をつく。 やっぱり振られるのか……。 でも悔いはない。 大好きだから、赤也の負担にならなくてすむ。 思考を巡らせていると、温かい腕に包まれる。 「悪い。俺も秋だけが好きだ」 「えっ?」 「ずっと傍にいろよ」 赤也の言葉に自然と涙がこぼれる。 「傍にいる。絶対離れたりしないんだから!」 秋の恋の応援をしたくなかった それに振られるって分かってたから 言い出せなかったんだよ →おまけ . |