テニス短編 | ナノ
03






ブルブル



不意に携帯のバイブがなるのが分かった。




「秋?」




秋からのメールではと慌てて携帯をポケットから取り出す。






To:越前リョーマ
from:不二先輩
件名:やぁ
本文:

ストリートテニス




ねぇ貰っていい?



―end―






一言ですぐに分かった。


秋だ……。



クソッ
渡してたまるかよ
やっと手を出せるところまで縮まったんだ。
あんたなんかに渡せる訳ないだろっ


失いたくない








「そろそろかな?」

「えっ?不二先「秋!!」


私の声を遮るようにリョーマの声が響き渡る


「って………リョーマ?」

「不二先輩!秋は返してもらいますんで」

「はいはい」

「オチビ。ちゃんと伝えないと伝わってにゃいよ」


一度リョーマは菊丸先輩を見るが、頷くとすぐに秋の手を取り歩き始める。




「リョーマ?」




近くの公園につくと息をつくように立ち止まるリョーマに首を傾げる。




「ごめん。俺いつも言葉が少なくてさ……でも、秋のことだけは誰にも渡したくない」

「ねぇ……リョーマ?私がわがまま言っても嫌わないでいてくれる?」

「当たり前」

「ふふふっ、ありがとうリョーマ。大好きだよ」






本当のわがまま



それはあなただけに……




伝えられる秘密の言葉







せっかくだしデートしよ?

いいけど。どこ行く訳?

映画でもいい?

了解。どこでも、いいよ。一緒ならね



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