色々な短編 | ナノ
ばーか

貴方が来てくれるのを



信じてます




命令だ





「オイ!小十郎」

「小牧様ですか?」
「That's right.必ず助ける」

「はっ」




私小牧は只今捕まっています。

誰に?

何故?

と言われると説明が長くなってしまうのですが……。

私は、奥州筆頭伊達政宗の正妻です。
実は、政宗様とは幼なじみ的な存在でした。

だから小さい頃から知っています。

政宗様と私は結婚しました。まだ一月という時しか流れていません。

そんな私が何故捕まったのかは簡単です。

山を散策中に崖から落ち甲斐の領土に足を踏み入れてしまいました。

散策をしていたのが、ばれると政宗様や小十郎様に叱られてしまうとさっさと帰路に足を踏み出そうと思ったのは足を踏み外した後でした。


実際私が崖から落ちた場所も奥州だったのですが……。

何故か探索していたらしい猿飛様に発見され、奥州ではなく甲斐に連れ去られてしまったらしいのです。





「あんたさー。そんな不安げな顔しないでも、俺様取って喰いやしねぇぜー」

「知っております」

「じゃ何でそんな顔してんのさー」

「もともとでございます


「伊達の旦那が心配?」




ビクッと肩が震える。猿飛様には御見通しのようだ。




「私をどうするんですか?」

「特にどうする気もないって言ったら小牧殿は信じる?」

「その真摯の眼で言うのであれば、私は信じます」

「………あんた大物だねー」

「いぇ私は小物です。背もとても小さくて「……ぷっはははは」




小牧はキョトンと首を傾げるが、目に涙をためながら笑う佐助は返答もせず、そのまま笑い続ける。




「……へぇ独眼竜が好きになるのも分からなくもないねぇ」

「はぁ」

「実はさ。伊達の旦那には迎え頼んでるからそんなに心配することもないんだよねー。

………奥州で崖から落ちた小牧殿見たときは、ほっとくつもりだったんだけどさ。

骨折ってるぽいし、出血してるし……俺様敵だし、忍びだし?

見つかる訳にはいかないけど、あんな誰も探しに来そうな場所にほっとくのは目覚め悪くてさ。
仕方なく甲斐に連れ来たって訳」

「……たっ………」

「た?」

「大変ご迷惑をおかけしました!




深々と頭を下げると再びお腹を抱えて笑う佐助が目に入る。



アハー。この姫さん面白過ぎ!



「佐助ー!お館様がお呼び………」



旦那は、姫さん見て固まってんなー。

あぁ面白れー!!



「お初にお目にかかります。幸村様」

「お主…某を知っているのか」




驚きで後ずさる旦那にキョトンと首を傾げる姫さん。



「旦那旦那!例のお姫様だって」

「例の……?」



スッカリ抜けてるようだ。



「伊達政宗のー「おっお主が小牧殿でござるかー」

「はい。いつも楽しんだ戦を政宗様として下さりありがとうございます」

「えっ!?ちょっとそこ止めるべきじゃないわけ?」

「いぇ聞いてる私も楽しいですし……あと少ししたらこちらにお礼に来ようと考えてましたから」



この姫さん普通の考えしてないねぇ。



「幸村ー!」




遠くから声が聞こえたと思った瞬間には、幸村様のお姿はなくなっていた。




「えっ?」

「お館さまぁぁぁ」




遠くで幸村様の声が聞こえたと同時に、爆風が聞こえる。




「っと見学してる場合じゃなかった。俺様もいかなきゃ」



と佐助様が立ち上がろうとした瞬間扉が開く。



「小牧」

「はい!」




反射的に返事をしたようで扉を見た瞬間目を見開き驚いている。




「迎えが来たって言うお呼びだった訳かー。ずいぶんと早かったね。伊達の旦那」

「政宗様」

「猿てめぇ!あの文は何だ」

「?」

「アハー。ホント早かったねー」

「小牧様。ご無事ですか?」

「小十郎様も一緒ですか。私なんともないというか……「Oh!No.猿飛佐助ー!」

「政宗様。聞いて下さい!話が進みません」

「Sorry」




この瞬間佐助は、この夫婦の上下関係を知った。




「分かればいいんです。猿飛様には、怪我の手当てをしてもらいました」

「政宗殿!佐助が失礼をしたでござるか?某が……」

「uh?真田幸村か。いいぜ。部下のことは上司の責任だ。Let'Party!」



その瞬間二人は庭にでて戦い始める。



「はぁ政宗様は…」

「今回は俺様にも責任あるけど…結局戦いたいだけなんだよねー。あの二人」

「仕方ありませんね、」

「ところで小牧様お怪我というのは?」




ビクッと肩が震えたのを佐助は見逃さない。




「えっと……散歩を…

「小牧様!また」

「すみません」



この二人の上下関係も何となく分かってきた。



「まぁまぁとりあえず旦那達止めんの先っしょ?」
「そうでした!」

「今は!ですからね」

「さて。ちょっと待ってて下さいね。猿飛様」

「えっ?危ないよー」

「大丈夫だ。小牧様に任せれば」




私は立ち上がると簪を手にとり政宗様に向かって投げる。



政宗様は、簪は軽く避けられたが、次の幸村様の攻撃を避けられず、部屋の近くまでぶっ飛んでいく。




「Shit!」

「いい加減にして下さい!」

「小牧。sorry」

「はい」



やはり最強は彼女のようだ。



「奥州独眼竜。今日は泊まっていくがよい!楽しい余興を見せて貰ったからな」

「お館さまぁぁー」

「幸村!小牧殿に動きを見破られるなんてまだまだじゃ!」

「うおおぉぉーすみませぬ。お館さまあぁぁー」

「二人まだまだ続くから、部屋案内するよ」

「はい」

「かたじけない」




何故か部屋は、政宗様と私で一部屋。
小十郎様だけで一部屋となった。




「OK.猿いい仕事するぜ」

「そうですか?ところで政宗様は猿飛様からどのような文を?」

「uh.You must forget.」
「いいえ。覚えてますからね」

「……あいつは、小牧が……」

「私が?」

「武田軍のくのいちになるって……」

「えぇ!?そんな訳ないでしょう」

「YES」

「だから慌てて…」
「小牧。俺から離れることは許さねぇ。一生隣にいろ!You See?」


「I See」




命令だ

(ところで本当はどうしてここにいることになった?)
(それは忘れてて下さい)
(No.きっちり聞かせてもらうぜ?)



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