▼ ・ごめんと言えなくて 彼は幼馴染で名前を煉獄杏寿郎という。 そう 幼馴染であって彼氏ではない だからこれは理不尽なことだと思う 「うるさいぞ。そんな襲ってくれと言うような格好で行くやつがあるか」 「そんなことないよ。今は普通だよ。杏寿郎が古いの」 「むむむむ」 「うなっても駄目。手離して、約束に遅れる」 今の格好はショートパンツにタイツを履いた状態。上はセーターだ。 かわいい女のコはタイツ履かないかもしれないが、私は別だ。寒いのなんて耐えられない。この格好だと肌も見えてない。 何が悪いのかなんて分からない。 「今日はショッピングと言ってなかったか?」 「そうだよ?友達と行くって言ったでしょ」 「なら何故、宇髄からこんな連絡がくる?」 「こんな連絡って」 杏寿郎が見せたスマホの画面を見ると、今日の合コンのメンバーと書かれていた。そこに私の名前があるのが驚きだ。 「どういうこと?」 「それを俺が聞いている」 「宇髄くんメンバーじゃないのに、何で知ってるかかも知りたい気がするけど。とりあえず友達に連絡してみる」 「それがいい」 友達に連絡すると間違いなかったようだ。杏寿郎の話は、嘘一つなかった。私は知らない間にメンバーにされていたようだ。 合コンなんて参加する訳がない。 私の好きな人はココにいるんだから。 「どうだ?」 自信たっぷりに言う姿に悔しかったから、謝ることも出来ず、それでもここで分かれたくもない私は、ショッピング付き合ってというと一言告げると、当たり前だと満足そうに笑う杏寿郎に、心の中でごめんとありがとうと呟いた。 朝起きた瞬間に電話がなる。 宇髄は俺が起きるのを見てたのかと、言いたくなるほど、正確で驚いた。 いいのか?お前の嫁騙されて合コンいくらしいぞ 嫁ではない。だが俺のものだ。 それで合コンどうするんだ? 阻止する!詳しい情報をくれ もうスマホに送った。自分で確認しろ 感謝する。ところで何で宇髄が知ってる? 誘われたからな。俺は行かねーけど。気になる情報があったから調べただけだ。 そうか。分かった。 早く付き合ってしまえ。お前らめんどくさいんだよ。 そんな朝の会話があったなんて、杏寿郎から聞かされるまでしらなかった。 いつかちゃんと言うから、色々とね! |