キメツ短編 | ナノ
05



結論からして、校内で杏寿郎には捕まった。

しかし杏寿郎は何も言わず私の手を引きながら、歩いている。しばらく歩くと目的の場所にたどり着いた様子で、扉を開き、私を中に招き入れたあと施錠している。


ここは準備室だったかな?あまり詳しくは覚えてない。


「色々聞きたいことや言いたいことがあるが···」


杏寿郎の言葉の後に引き寄せられ、今は杏寿郎の腕の中だ。


「頼む!俺は花奈に避けられるとどうしようもない。情けない男でしかなくなる」

「そんなことないでしょ?天下の煉獄杏寿郎が」

「それに宇髄と一緒にいたところを見て、無性に腹がたっ
た」

「あれは不可抗力」

「俺のそばにいろ。離れるな」

「ふふふっ。プロポーズみたい。ただの幼なじみでしょ?」

「ただの幼なじみじゃない。あの先生には、ただの幼なじみだったことなど一度もないと言ったからな」

「えっ?」

「昔から花奈だけだ。俺が傍に居たい。ほかの男に取られたくないと思うのは」

「杏寿郎。わっ私が杏寿郎を好きでもいいの?」

「花奈以外の女性に好かれたいとも思ったことは一度もない」

「そっか···そう···杏寿郎。私好きなの」

「あぁ知ってる。俺はお前を愛してる」

「杏寿郎」



毎週会いたいと思ってたのは、私だけじゃないみたい。

私は毎日会いたいけど、と言ったら杏寿郎が俺と一緒に暮せばいいと言ってくれた。


思ってたこと言いたいことが言えて、良かった。


ただと言われただけで、逃げちゃダメだったんだね。

これからは逃げないよ。だからこれからも一緒にいて下さい。


望むところだ








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