01
何でここにいるの?
私のことはほっといて欲しいのに
そう私のことを待っていたのは、煉獄先生だった。寮に帰るのだから、別に教師の同行なんていらないはずなのに。
「一人で帰るつもりだったのか?」
「どうして?」
「あぁ珠世先生が連絡したのでな」
「そうじゃなくて。何でここにいるのですか?」
「倒れた生徒をほっとく訳がないだろう?」
「そう。。。ですか」
「送ろう」
近くのはずなのに、足が重い。どうしてこんなに辛いのか。
答えは分かってる。
私の心が拒否しているからだ。
「なあ寺沢、過去が変えられないって分かってるときどうする?」
「えっ?」
「俺は未来にかけると思うんだ」
「そうですか」
それっきり煉獄先生は何も言わなかった。
その意味深な言葉に、私も答えることが出来なかった。
全てを知っていれば、答えも見えていたはずなのに。
寮に帰ると私は疲れていたのか、深い眠りについていた。
「お前はいつまでそうしている」
「分かってます。分かってるんですけど、でももういない。そう信じたくないんです」
「寺沢。お前は煉獄の継子だろう」
「・・・・・」
冨岡さんは私に、そう告げるとその場から去った。
『覚えておけ!俺はあきよりも強いからただじゃ死なん』
『当たり前です』
『いや分かってない。俺が死んでも俺を追ったりしたら容赦しない』
『怖いですね。でも追ったり出来ませんよ。そんな度胸もないですから』
『知っている。だから笑顔で自分の生をまっとうしろ。そしたら、俺も出迎えてやろう』
『はははっ。難しいですね』
『そうだな。うむ。そうだ。なら来世であきに何か贈り物をしよう』
『来世ですか?またそれも途方もない話じゃないですか』
『そうかもしれん!だが出来ぬ約束は俺はせん!炎柱煉獄杏寿郎として、お前のことも守ってやる』
『私が守りますよ!師匠何ですから』
あぁそっか。なら私は。。。
「生きるしかないじゃないですか」