決められないのに決められる
煉獄先生の案内で部活動見学が、始まった。
色々な部活動を見学していると少し分かったことがある。それは煉獄先生はとても人気者だということだ。
どの部活にいっても生徒がよってくる。
そしてすごいのは運動部どの競技でもそつなくこなしてしまうことだ。
そして今も
「煉獄先生。私がかったらデートして下さい」
「そうだな。それだと俺は負けられないな」
「えぇ私とデートするために負けて下さいよ」
そんな会話が、聞こえてきた瞬間。何故か心が、ツキんと痛んだ。
おかしいと胸に手を置いてみるが、何ともない。
しかし他の女子と煉獄先生が、仲良くするのは私には嬉しくないこと、なのかもしれない。
「どうだ?寺沢決まったか?」
全ての部活動見学を終えた煉獄先生は汗だくだった。それでも爽やかな感じに見えるのは、この先生だからだろう。
「とりあえず考えて来ようと思います。あっこれよければ。洗濯してあるのでキレイですよ」
部活動紹介のお礼にタオルを渡すと、すまないと受け取ってもらえた。そのことだけで、何故か心はときめいている。
私のこの心臓は転校してから。。ここの学校の人に出会ってからおかしいのかもしれない。
「そうだ。剣道部はマネージャーを募集している。寺沢のように気が利くのが特に嬉しい」
「マネージャーですか?」
「あぁ。俺が顧問をしている。まぁ月日も短いからな。マネージャーというのもいいかもしれんと思っただけだ。あとは好きにするといい」
「はい。ありがとうございました」
「こちらこそだ。またこのタオルは返す。今日は貸してくれ」
「はい。どうぞ」
その日の夜、私は変な夢をみた。
キメツ学園の生徒が刀をもって、鬼と呼ばれる何かを切っている。
その中には私や煉獄先生、しのぶちゃんもいた。
あまり詳しく覚えていないが、
私の最後はあっけなかったこと。
煉獄先生とは共に同じ仕事をすることが多かったことがわかった。
「炎の呼吸の継子は、あきお前しかいないんだ。気をつけてくれると助かる」
「はい。師匠」
甘い甘い雰囲気の二人を切り裂いたのは、鬼の出現の増加に伴い、別々の勤務につくようになったからだとそう思いたい。