攻めには弱い
私は朝が弱い。
そのため遅刻ギリギリなのは仕方ないことだと思っている。
寮の学園から徒歩5分圏内のため遅刻まではしなさそうで安心している。
はずだった。
「転入生だったな?」
「はい。寺沢です」
「そうか。。。」
昨日の緊張からか、朝ギリギリのギリギリだったため、予令がなる3分前に校門をくぐろうとした。
そこに鬼の門番ならぬ。
保健体育の冨岡先生がいたのは、間違いではない。
「寺沢今日は仕方ないが、校門は5分前には通れ。遅刻だ」
「えっ?」
「・・・・・」
それ以降何も言わない冨岡先生にドキドキしているといつの間に現れたのだろう。煉獄先生が私の頭を優しくポンッと撫でる。
「俺のクラスの生徒だからな、引き取るぞ」
煉獄先生の一言に何も言わず、去って行く冨岡先生。
とりあえずどうしたらいいか分からないため、煉獄先生の顔を眺める。
「そんなに眺められても困る」
少し照れたようにハニカム煉獄先生の顔にドキッとした気がするのは気のせいだと思いたい。
「まぁ転入したばかりだ、あまり目立つことはしてくれるなよ?あぁそれとな?寺沢」
「はい?」
「放課後社会科準備室に来てくれ」
「えっ?はい」
このことで怒られると思い放課後まで私は、魂が抜けたようでしたとしのぶちゃんが言っていた。
「あぁ来たか」
放課後何もやることがなく、しのぶちゃんに場所を教えてもらい渋々社会科準備室のドアを開けた。
「すみませんでした」
「んっ?何がだ?」
「えっ?朝のこと迷惑かけたからですよね?」
「よもやよもや、そんなに俺は心は狭くないぞ!それにまだ本令なっていないから、遅刻もしていない。そう考えれば、俺が怒ることは何もないんだが?」
「えっ!?」
私の今日一日返して欲しい。あれだけドキドキして食事もろくに。。。いや普通に食べたけど。
まぁ悩んだのに。ってあれ?何で呼び出されたんだっけ?
「寺沢、寺沢、寺沢!!」
何度も呼ばれはっと顔を上げると目の前のドアップに心臓が止まるかと思った。
「全然聞いてなかったな?まったく」
「すみません」
「まぁいい。でっだ。何部に入る?」
「えっ?早くないですか?」
「善は急げというだろう?何事も決め時がある!という訳で今日が決め時だ!ハッハッハ」
その理屈はどうかと思うけど。しのぶちゃんが言っていたのはこういうことかとすぐに理解したけど、何の切り返しも出来ず言葉もでない。そもそもまだ部活動が何があるかも分からないのだから、仕方ない。
「うむ。決められないようだな!仕方ない!俺が案内してやろう」
えー!!!
私の心の悲鳴なんて聞こえるはずもなく、煉獄先生からの強制部活動紹介が始まるのだった。
この案内後すぐ決める訳じゃないですよね?
ハッハッハー
笑ってないで返答が欲しいと思ったのは間違いではないと思う。