Real World | ナノ
01



私が知らないところで


日々何かが起こっている




すれ違い様の秘密の言葉



今日はお兄ちゃんが言ってた人探さないと……。
でも先生は全員みたと思うんだけど、おかしい。



とりあえず学校に行けば分かるだろうと足早に学校に向かう。




「うーん。探すって言っても……どうしよう」

「オイ!城井」

「はい!」



低い声で名字を呼ばれ強張る体に鞭を打って振り返る。そこには、伊達くんとヤのつく感じの男性が立っていた。




「何でしょうか?」




2人の鋭い眼光に、ビクビクと身体が震える。




「やっと声かけられたのにその言い草はねぇだろう」

「まだ気づかねぇのか?My friend」




2人に言われても、全然見覚えがない。そもそも伊達くんは、知りあって間もないのに、友達なはずない。




「それとも俺の幼馴染みは、foolだったか?」

「馬鹿って失礼です!伊達くん?」

「昔みたいに呼んでもいいんだぜ?政ってな」

「政?……政宗?」

「of course」

「ってことは……政宗とこじゅろー?」




首を傾げながら不安げに呼ぶと満足した微笑みでこじゅろーと政宗は、あたしの頭を撫でてくれた。




「大きくなったな真那」

「本物のこじゅろーだ!って政宗も変わりすぎだよ。……もしかしてお兄ちゃんの友達ってこじゅろー達のこと?」

「だろうな。彰と腐れ縁なのは俺ぐらいだし。政宗様もあいつから話しは聞いていたみたいだからな」

「あぁ」

「そっか。早くに見つかってよかったよ。あっ!ねぇこじゅろーは、何の教科?」

「俺は、数学を担当している。それより真那」

「んっ?」

「一応学校じゃ片倉先生って呼べ」

「片倉先生?ってことは、こじゅろーの名字?」

「あぁ」

「もしかしてあたしのクラス担当だったりして?」

「よく覚えてたな」

「……んーとりあえず片倉先生よろしくお願いします」

「おぅビシバシやるから楽しみにしとけ」

「全然楽しみじゃないです」

「俺のことも忘れんじゃねぇ」

「ゴメンゴメン」

「でっ何で分からなかったんだ?小十郎はともかく俺の名前はフルネームで知ってただろうが」

「だって……あんなに可愛かった政が、かっこよくなってるなんて思わなかったんだもん。もう政って呼べないよ」

「やっと俺のcharmに気づいたか。まぁそれなら許してやるよ。ただし明日俺とdateすればな」

「デート?って買い物?行く!」

「決定だな」



色々言われたが、結局政宗は優しい。こっちにきて忙しかった私を気晴らしに誘ってくれたのだから……。



この2人は、いつも私を気にかけてくれる。だから私にとって、お兄ちゃんと同じくらい大切な人だ。そして、私の素性を知っている人物でもある。



政宗も大企業の息子なのだから、当たり前なのだけど……。こじゅろーは、政宗のお付きの人。教師をしてるなんて知らなかったけど。これでまた私の居場所が一つ増えた気がした。




(「日曜に家の前で待ってろ。迎えに行く」
「分かった。楽しみにしとくね」
「Ah」)



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