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オマケ



帰りのHRが終わるとさっさと帰ろうと席を立つが、かすがさんに呼び止められた。




「一緒に帰らないか?」

「えっ?」




かすがさんの言葉に一瞬フリーズする。




「嫌ならいいんだ。私が謙信様の近所に住んでいることは知っているだろう?謙信様からお前の家とは近いと聞いていたのだが……」

「嫌とか滅相もござりません。かすがさん一緒に帰っても……?」

「あぁ」




こんなに早く友達と一緒に帰れる日が来るなんて嬉しい。




「それより、かすがでいい。かすがさんって言われるのに慣れていないからな。それと敬語は止めてくれ」

「うん」




ウキウキ気分のおかげでお兄ちゃんからのメールに気づかなかったのは仕方がない。




「私今1人暮らししてるから、また今度遊びに来てね?」

「1人暮らし?兄妹で住んでいたんじゃなかったのか?」

「謙信先生に聞いたの?……自立しようと思って1人暮らし始めたんだ」

「そうか……都合がいいときに呼べ。謙信様も喜ぶだろう」

「わぁい。ありがとかすが」




嬉しさの余り抱き着くと照れているのか顔を逸らされたが、優しく頭を撫でてくれた。



今はまだお兄ちゃんが誰かなんて言えないけど、いつかお兄ちゃんのこと話すからね?かすが!




(クラスにお友達が出来ました。これからの学校生活楽しみです)



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