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02


体育館で入学式があることを謙信先生に教えてもらい体育館に向かう。



うん。何か周りの視線が痛い。



受け付けで自分のクラスを聞き、自分のクラスの席へと向かおうと周りを見ると、多くの場所に人だかりが出来ていた。




「……通れない」




ため息をつきながら、遠回りをして、自分の席に着く。改めて周りを見回すと、人だかりの一部に顔の良さそうな男達が5人ぐらい集まっているグループを見つける。




「どこの学校にもいるんだ。ホントに……」




呆れたように眺め、視線を前に戻すと、すぐにアナウンスが入る。全員が席に着くと入学式が始まった。理事長は、豊臣秀吉先生というらしい。



あっ!豊臣秀吉だから、豊吉高校。分かりやすくていい。



この学校は、教師も生徒も濃い人間が多い。理事長の他にも、ヤクザのような先生や制服を着崩した生徒が目にはいる。



さすがお兄ちゃんを教師として雇っただけはある。一筋縄ではいかない強者が揃ってると思う。



エスカレーターということもあり、入学式が早く終わる。すると、生徒達は友達とそれぞれの教室に移動していく。




「えっと……「逆」




教室に向かおうと立ち上がり、生徒の群れにしたがって歩こうと方向を変えると声をかけられる。振り返ると可愛らしい女の子が立っていた。




「……貴女外部の人?」

「はい」

「…市も1年」

「市さんですか」

「……織田市。敬語いらない」

「はい。城井真那です。よろしく?」

「……よろしく。でっこっち」




と私が行こうとした方向とは逆の方向を指差している。




「教室?」

「あっちは2年」

「ありがと。市ちゃんは何組?」

「3組。市真那って呼んでいい?」

「うん。好きに呼んで?」

「ありがとう。真那は何組?」

「2組。近いね!」




仲良くなれそうだと思い、嬉しくて顔が自然と笑顔になる。私が笑顔でいると、市ちゃんも可愛らしく笑い返してくれた。




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