Real World | ナノ
04



よく分からないけど、とりあえずテニス部の紹介は、始まった。




「我がテニス部はうちのめされる訳にはいかないので、挑戦としていただきたい」

「おっ!逆にテニス部からの挑戦か!この3人はうけるのか?」

「おもしろそうでござるー」

「俺様どうせすぐ勝つし」

「もうどうでもしてください」

「おっ!3人ともやる気だ」



いやいや慶次!やる気満々なのは旦那だけだから。



「さて!どんな挑戦を叩きつけにきたんだー?」

「ここに10個の空き缶を用意した。この缶をサーブで交互に打ち、当てていく。といっても当てるだけでは簡単だろうから、缶の中には石を詰め込まれている。倒した数が多い方が勝ちって訳だ」

「へぇ少しは楽しそうじゃん」

「……疲れそう」



なんともやる気がない子だ。こんなに楽しそうにしてる旦那が隣にいるのに……あれ?暑苦しいだけ?まっいいや。



「某トップバッターで、やりたいでござる」

「はいはい。じゃ旦那!当てて来なよ?」

「頑張って下さい」

「うむ」




ボールとラケットを持ちサーブを打つ体勢を作り、ビュンといい音を立ててボールが缶に当たるが、缶はビクともしない。




「幸村のサーブ当たるが倒すことならず……残念」

「うぅすまぬでござる」

「普段テニスしないんだから当たり前だよ旦那」

「惜しかったじゃないですか!次当てて下さいね?」

「そっ某頑張るでござる」




顔を真っ赤にして握り拳を作る旦那に苦笑する。




「次はテニス部だ!さて当たるのか?」




テニス部の人がサーブを打つとボールは軽く缶に当たり倒れる。



あれ?おかしいなー。あんな簡単に倒れるか?普通。



「綺麗に倒れたー!さすがテニス部だぜ。コントロールも力加減も完璧だー!」

「そうなんでしょうか」




ボソッと呟いた真那ちゃんを見て首を傾げる。




「とりあえず次どっちがやる?」

「じゃ先にやらせて下さい」

「頑張って下され」

「はい」

「次の保体委員メンバーは、先生推薦の真那ちゃんだ。どうなるのか楽しみだぜ」




ラケットを持つと確かめるようにラケットやボールを眺め、サーブを打つ体勢を作る。トスが綺麗にあがったと思ったと同時にカランと缶が倒れた。一瞬のことで、訳が分からなかった。しかし逆側にボールが転がっているのだから彼女が当てたことに間違いないようだ。




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