▼ 04 よく分からないけど、とりあえずテニス部の紹介は、始まった。 「我がテニス部はうちのめされる訳にはいかないので、挑戦としていただきたい」 「おっ!逆にテニス部からの挑戦か!この3人はうけるのか?」 「おもしろそうでござるー」 「俺様どうせすぐ勝つし」 「もうどうでもしてください」 「おっ!3人ともやる気だ」 いやいや慶次!やる気満々なのは旦那だけだから。 「さて!どんな挑戦を叩きつけにきたんだー?」 「ここに10個の空き缶を用意した。この缶をサーブで交互に打ち、当てていく。といっても当てるだけでは簡単だろうから、缶の中には石を詰め込まれている。倒した数が多い方が勝ちって訳だ」 「へぇ少しは楽しそうじゃん」 「……疲れそう」 なんともやる気がない子だ。こんなに楽しそうにしてる旦那が隣にいるのに……あれ?暑苦しいだけ?まっいいや。 「某トップバッターで、やりたいでござる」 「はいはい。じゃ旦那!当てて来なよ?」 「頑張って下さい」 「うむ」 ボールとラケットを持ちサーブを打つ体勢を作り、ビュンといい音を立ててボールが缶に当たるが、缶はビクともしない。 「幸村のサーブ当たるが倒すことならず……残念」 「うぅすまぬでござる」 「普段テニスしないんだから当たり前だよ旦那」 「惜しかったじゃないですか!次当てて下さいね?」 「そっ某頑張るでござる」 顔を真っ赤にして握り拳を作る旦那に苦笑する。 「次はテニス部だ!さて当たるのか?」 テニス部の人がサーブを打つとボールは軽く缶に当たり倒れる。 あれ?おかしいなー。あんな簡単に倒れるか?普通。 「綺麗に倒れたー!さすがテニス部だぜ。コントロールも力加減も完璧だー!」 「そうなんでしょうか」 ボソッと呟いた真那ちゃんを見て首を傾げる。 「とりあえず次どっちがやる?」 「じゃ先にやらせて下さい」 「頑張って下され」 「はい」 「次の保体委員メンバーは、先生推薦の真那ちゃんだ。どうなるのか楽しみだぜ」 ラケットを持つと確かめるようにラケットやボールを眺め、サーブを打つ体勢を作る。トスが綺麗にあがったと思ったと同時にカランと缶が倒れた。一瞬のことで、訳が分からなかった。しかし逆側にボールが転がっているのだから彼女が当てたことに間違いないようだ。 . |