Real World | ナノ
02


「オイ!真那。そんな変なのと話していたらお前まで変になるぞ」




振り向くと不機嫌な顔をしたかすがが俺様を睨んでいた。




「酷いよ!かすが。俺様変人じゃないんだから。それよりいつの間にそんなに仲良くなったの?」

「お前には関係ない!黙れ」




オドオドとしながら俺様とかすがの両方を眺める真那ちゃんを見てニヤリと笑う。




「俺様も真那ちゃんとは仲良しだよー!」

「へっ?」

「止めとけ真那。こいつに付き合ってたら日が暮れる」

「あれー?かすが!嫉妬?……俺様に?あっもしかして真那ちゃん……」




最後の言葉はかすがの蹴りによって言うことは出来なかった。




「お前などには、興味ない!私は謙信様だけだ!」




遠くを見つめだしたかすがに、今日の俺様タイミングが悪いかも……と小さくため息をつく。しかし、かすがをからかっているうちに、SHRが始まる時間になっていた。彼女は、最後まで俺様達を眺めてオドオドしてるだけだった。



あぁそういえば今日は部活動紹介か……。俺様何部に入ろうかな。楽しいとこがいいなぁ。俺様に出来ないスポーツなんてないけど。



考えを巡らしているうちに、あっという間に部活動紹介の時間になってしまった。




「佐助ー!!」




体育館に入ると、手をブンブン振りながら俺様を呼び続ける旦那の姿が目に入る。




「ちょっ!旦那。大声で呼ばないでよ。俺様恥ずかしいじゃん」

「そうか?しかし名前を呼ばないと気づかないでござろう」

「だからね?旦那」

「まーたやってんのかよ」

「をっ元親殿」

「オス!幸村」

「元親殿も佐助と同じクラスでござったな」

「そっ!俺様チカちゃんと同じクラスー」

「チカちゃんって言うなよ!テメェまだ根に持ってやがんのか?」

「根に持つ?何かあったでござるか?」

「それがよー佐助の奴……」




チカちゃんが話し始める前にアナウンスが始まり、渋々自分のクラスに帰る旦那に一息つく。朝からの俺様のドジっぷりを旦那にまで知られれば、あの集団のことだ、この話しをネタに俺様をからかおうとするに決まっている。だからこのタイミングでのアナウンスに感謝した。しかしわずかの時間にアナウンスを恨みたくなった。そう、自分自身が部活動紹介に参加する事態になるとは思ってもみなかったからだ。




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