▼ 真田弦一郎
「真田」
「ふん!、なんだ…っ!!」
私は、庭で竹刀を振り回している真田にふと話しかけた
「あのさ、」
「あぁ。…ふんっ!!」
私は隣にあるお茶を啜る
「痩せたい」
「…ふ、ん!!……は?」
真田は目を丸くして振るのをやめた
「ぁ、え?だから、痩せたいって…」
「………」
沈黙。
「真田、さん?」
ちょっと、何なんだ。この沈黙。デブだからな、とでも言いたいのか!いやそうだけど!だから痩せたいんだけど!
そう、頭の中で訴えているとやっと真田が口を開いてくれた
「…何故だ」
「え、太ってるから」
「……え」
「え?」
真田は、まじまじと縁側に座る私を見る
え、なに。恥ずかしい
「…どこがだ?」
「え?」
「いや、どこが太っているんだ?」
「……っ?」
おかしいぞ。どうした。私は太っているはずだが。
「いや、お肉がたっぷりついてるんだけど…」
やだなにこれ。何プレイ。自分で言うのかが異常にキツい。
「…俺はそれぐらいが好きなんだが…」
「はっ?」
「第一、名字!!!!!たるんどる!!」
「え、あ、はい!」
いきなり大声を出すものだから、思わず正座をしてしまった
「どうせ、痩せると言うのだから、無理なダイエットをするのだろう!」
「そりゃぁ、まあ…」
「たるんどる!!!!そんなの、大人になるうちに痩せるわ!!」
「すみません。ダイエットしません」
「よろしい」
そう満足そうに頷くと稽古?に戻っていった
………え
何故そうなったのか大変気になったが、またお説教されそうなので言わなかった
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「おじさんはね、」
「ぁ、またおじさんって言ってる。怒られるよ?」
「大丈夫。聞いてないから。」
「もう…。…それで?」
「名字に痩せて欲しくないんだよ」
「ぇ、どうして……」
「太ってても可愛いから。」
「は?」
「毎日言ってるよ。可愛い可愛いって。もうちょっと太らないかなって。だからケーキ買ってきたよ、この間。だからそろそろ出るんじゃない?」
「え。」
「名字。あぁ、お前もいたのか。ケーキ、食べないか。チーズケーキ」
「………い、いやぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!」
「!?」
「私、丸々にされて食べられちゃうぅぅぅ!!!」
(逃走)
「?な、なんだ?どうしたんだ?」
「なんだろーねー♪」
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