▼ 柳 連二
「私、ダイエットする」
私は突然雑誌から顔を上げて言い放った
ちなみに、ここは柳君の部屋
すぐ隣では小説を読んでいる
その柳君が顔を上げこちらをみた
「…お前がダイエットを続ける確率…0.02%」
「……」
柳君…
「それを言われると、凄い、やる気が無くなってしまうのだけれど…どうしろと?」
「ダイエットをしなくてもいい、ということだ」
「……えぇ」
私は肩を落とした
すると、柳君が不思議そうな顔をして問う
「何で、いきなりダイエットの話をし始めたんだ」
「え?あぁ、その…これ」
私は雑誌を柳君の前に掲げた
柳君は小説をゆっくりと閉じて雑誌を受け取る
「…痩せてる女性の方が、男性は、好み…」
「…それ、見て…」
「痩せたいと思ったのか?」
「うん…」
素直に、頷くと、はぁ、とため息が聞こえた
思わず肩が震える
「俺が痩せている人が好きなら、お前と付き合っていない」
「…ぇっ」
「堂々としていればいい。俺が選んだんだ」
「…柳君…」
私はふわりと、抱きしめられる
「ダイエット何てしなくても、俺はお前が好きなんだ」
「…ありがとう」
私はゆっくり目を閉じた
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