小説 四天宝寺 中編 | ナノ


▼ 02

「はぁぁぁぁ…」


あれから2日。 
朝。部室で盛大なため息をついた。
全く見つからない相手。
なんやねん。すぐ見つかると思ってたのに。見つからへんがな

「どないしたん、謙也」

「あー、白石。おはようさん」

「おはようさん」

白石が登校してきた
今日は遅いんやな。

そういうと、爽やかな笑顔で言う


「それがな、俺のガブリエルが…っっ」

「おはよーっす」

「ぁ、財前おはようさん」

ものの見事に白石のガブリエル白書を寸止めしたのは財前だった


「くらりん、謙也、ひかるん、おはよーっ」

「おはようさん」

続いて、小春とユウジ
今日も相変わらず登校が一緒らしい


「おはようさん」


そしてそのあとに銀さん、千歳の順番できた


「で?」

「ぇ、あぁ」

白石が話を戻す
皆が一気に来たもんだから、忘れかけたわ

「なんや、何の話しとんねん」

ユウジが話しかけてきた

「まさか!駆け落ちするん!?いやーんっ!」

「小春先輩気持ち悪いこと言わんといてください。第一、こんな先輩らが、しかも男同士なんて虫酸が走りますわ。まぁ、個人の好きですけど。半径3メートル離れてくださいね」

財前がいやぁな顔をして言ってくる

「そこまで言わんとも…。いやまぁ。俺も男なんて嫌やけどな?けどな?言い方ってものが…「それでどないしたんや 」

くそぅ、白石。自分が寸止めされたからって俺のに被せなくてもええやん
そこは財前やろ

少し睨んだら、やってやった、と言わんばかりのニヤリ、をかましてきた。
なんやアイツ。

「えっとな…?」

俺は昨日のことをうんぬんと話した

「ほーん?」

「昨日のあの女の先輩の事ですか」

「せや。顔、覚えとらんの?」

「全く。女に興味ないんで。」

しれっとした顔で言った
なんやコイツ。大人やな。

睨んでやった


「っあぁぁぁ。めっさ気になる!」


「まぁ、もやもやするやろな」


うんうん、と健二郎が頷い…え?

「いつからいたん?」

「えっ」

ガーン、という顔をして固まった
ほんまにいるなんて思わんかった…

「そういえば、金ちゃんもおらへんな?」

「あぁ、なんや、腹を下したとか言っとったばい」

「また、アイスを沢山食ったんやろな…。毒手やな…」

「小春!」

「何?ユウ君!」

「好きや!」

「……光くーん!」

「え。浮気か!死なすど!ざ、財前!!小春から離れろや!」

「ぇ、ちょ、巻き込まないでくださいよ。」


とまぁいつの間にかいつもの騒ぎに入ってしまった

「なんやねん…」

ここはもう、一人で探すしかなかった

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