小説 四天宝寺 長編 | ナノ


▼ 親睦

「姓」

俺は隣で教科書を鞄に入れる姓に声をかける

「ん?何?」

バレたというのに対して慌てない姓
流石やな

「放課後、ってか、今から曲作ろや」

「!?!?」

目を丸くした


「…ぇ、あはい。あ、でも、部活は?」

「休ませてもらいました」

「ぇ、それは悪いよ…」

「大丈夫ですわ。1日ぐらい」

俺がそう言うと、そう?なんて少し考えて言う

「まぁ、ならいいよ?」

「ん、ならいきまひょか。あんまり使われない教室あるんでそこに」

「ん。」


俺達は、教室へ向かった


ーーーーーーーー…


「よし。」

そう言って姓は満足そうに言う

目の前には、パソ、そして機械

「まさか、いつも持ってきてるん?これ」

「うん?うん。」

なんやこいつ。怪力か
恐ろしい

「さて、まず誰で作ろっか?」

「あぁ、ミクとか?」

「あーね?あ、でも、やっぱり作ってからがいいかな。」

「まぁ、せやな」

とりあえず、曲の雰囲気をどうするか決める

「甘いもの?」

「や、ここはアップテンポ」

「んー。ギターは、絶対使おう。ぜんざいP頼んだ」

「了解。ほかは?」


「んー。あ、今回はコラボなんだから、色々新しいことしよう。ピアノ、ヴァイオリン、とかクラシックのものも入れて」


姓と一緒だと本当に話が盛り上がる
文章じゃなくて、言葉だから尚更やった

「あぁ、ええな。よし。やれるだけやろう」

「うんっ」

そう、笑う姓が可愛い、と思った


え?可愛い?は? 
…まさか…な


「?財前君?」

急に黙りこくった俺に心配になったのか首を傾げて声をかけてきた

「なんでもないわ」

「うん?そう?」

そう、返してカタカタとキーボードを打ち始めた
え、速

「打つの、速いんやな」 

俺が言うと、そう?と返してきた
自覚ないんか


「んー。よし。とりあえずメモ。」

「あぁ、メモっとったんか」

「うん、忘れると困るからね。で、なんだけど…」

そこまで言ってヘッドホンをつけ、またカタカタとキーボードを打つ
速。
そうそっちしか意識いかへん


「よい、しょっと…」

カチ、とマウスを押す

「はい、ちょっと今作ったやつだから荒削りだけど、なんとなーくイメージを…」


「は?」


「え?」


なんや、コイツ、今の短時間で作ったんかいな


「あ、1フレーズだけだよ!?」

「……なんなん、才能よこせや」

「それ、こっちのセリフだから」


そう、言ってヘッドホンを渡してくる
それをつけて目を瞑る


「〜♪」

なんや、素敵やん、

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