小説 四天宝寺 短編 | ナノ


▼ フェンス越しの愛

「まだまだ行くでー!」

パコーン!!

放課後、もう日も傾いてきていていい感じの夕暮れ

私はテニス部に来ていた


幼なじみであり恋人でもある蔵を見に。

「んー、かっこいいなあ、蔵。」

と、呟くがそれはすぐ甲高い声によってかき消された

「きゃぁぁぁぁ!!!!白石くーーーん!!」


…ファンの子達だ


蔵はかっこいい
完璧な人だ

よく、こんな私を彼女にしたものだ
あのファンの中には私よりもっともっと素敵な人がいるはず

私はボールを打つ蔵を見て、ちょっとセンチになる

「あ、終わった」


もやもや考えていると部活が終わる
いつの間にか暗くなりかけていた

ファンの子達が帰りを待つ。
毎日こうだ
そして何かと話しかけていく

その間私は正門で待ってなくちゃいけない
蔵が巻き込まれると、大変やろ?って、言ったから。

私は右足を後ろに引く

すると、蔵と目があった


「…」

蔵の口が微かに動く
私はそれに対して、微笑み、こうかえした

「私もーー…」



フェンス越しから贈られた愛


「…ーー好きやで」






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