小説 四天宝寺 短編 | ナノ


▼ テスト勉強

「………。覚える気、あるん?」


低く、低く言い放たれた言葉


シャッと、止まる手


ぱこっ

「あだっっ」


色気も何もない悲鳴を上げるのは私
蔵に叩かれた


「わ!蔵、女の子たたいた!いけないんだ「…この絵、何?」すみませんでした。」


私は今蔵に勉強を教えてもらっているのだけれど…

ついに、耐えきれなくて、思わず力作の絵をプリントに描いてしまった。

それを見た蔵がプンすかぷんぷん丸。
あ、ちなみに、プンすかぷんぷん丸っていうのは激おこぷんぷん丸を私が進化させた。


「…自分、次のテスト、危ないことぐらい、わかっとるよな?」

「…わかってます…」


そう、次、点が低いと、唯一蔵と夜でも話せる優れものの、携帯没収なのだ


でも、蔵…教え方が厳しい…

「……鬼だ。鬼ノ介だ。どこの人だよ、」

ぽろりと、言うと、「何か言ったか?」と、聞こえてるはずなのに聞いてくるから、「何でもないです」しかいえなかった



落ち込む私に蔵ははぁ、と、ため息をつき言った


「俺やってな、話せなくなるの嫌やねん。だから頑張ってもらいたいんやで?」


……なに、それ
嬉しい


「俺が嫌だって思うだけじゃなんも解決できひんねん。ここは、貴子次第やねん、だから、頑張ろ、な??」


そんなこと言われたら、私は何もいえない

「蔵、好き、私頑張る」


「ん、俺もや。一緒にな」


「ん」



それから私は必死に勉強をするのだった

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