小説 四天宝寺 短編 | ナノ


▼ 電話

「…暇。」

そう、音がしない部屋に落とされた言葉

「よし、謙ちゃんに電話をしよう」

思い立つのは彼氏の謙ちゃん
 
プルル…
「貴子?」

ワンコールで出た。 
はや…

「流石、スピードスターだねぇ、速い!」

「せやろ。浪速のスピードスターは電話を出るのも速いっちゅー話や」

「ふふ、謙ちゃん好きだーっ」

「おうおう」


そう、二人で笑い合う


「で?どないしたん?」 

そう、少し、不安そうに聞いてきた

「ん、暇だなあって。謙ちゃんの声聞きたかった。」

「なっ!?」

そう、驚いた声が聞こえる
きっと顔が赤いんだろう
想像して笑ってしまった

「謙ちゃん好き!」
「…俺もや」
「両想いーっ」
「アホ。じゃなきゃ付き合ってないっちゅー話や。」
「ふへへ、うん。」

たまにはこんな甘い、バカップルみたいな会話も楽しい



「さて!謙ちゃん!今すぐ我が家にくるのだ!」
「貴子がきてくれへん?」
「えぇーっ。面倒…」
「家、向かいやろアホ。来いや」
「はーい」


そして結局慌ただしくなるのだ
これが私達

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