小説 四天宝寺 短編 | ナノ


▼ 幼なじみ。

「光ー」



「なん」



私は携帯 をいじる私の彼氏兼 、幼なじみに声をかけた



「折角、彼女が光君の部屋にいるのに携帯ですかーっ。ほったらかしですかー!」


私は光の部屋にいる


…といっても幼なじみだから、対して新鮮味も無いけれど…


「彼女かて、幼 なじみなんやから、今更やろ 。適当にしてろや。」


そう、さらりと言い放った



たった今私も少し考えていたことだけど、言われるとやっぱり悲しい


「もう、知らないし…」


そう、心で思うはずだった言葉は部屋にポロリと落ちて


財前がこちらを見る動きが視界の片隅で見えた


どうせ、彼女だっていう意識ないんだろうなあ


幼なじみで付き合うってこんなものなのかな

そう頭でぐるぐる考えて帰るために立ち上がる


「貴子、どこ行くん」


そう光も 立ち上 がってドアにスッと立つ


「帰る」


私はポツン、と言った


「は?」


「は?って… 。」


 
「いや、だって…何で?」

  
そう、言う光にちょっとイラついた



「構ってくれなさそうだもん。どう せ、付き合うなんて言葉だけで仲は幼な じみのまんまなんだ、きっと。幼なじみ だから、”あー 、ええわ。“みたいなノリでしょ、光…」


と、そこまで言って光の後ろにあるドアノブに手をかけようとした途端だった



「…ッ!?」



私は抱きしめられてた



「…ちゃうねん、貴子」


「?光? 」



私が名前 を呼ぶと、光が続けて話す


「…ちゃうねん、なんか好きすぎて、前は 幼なじみだからって言い訳できて色々普通にいられたけど、彼女になってくれて、もうどうしたらええのかわからへんねん…」


そう、更にちょっと強く抱きしめられた



「え、意識、してくれてたの?」




私が驚いて言うと光が私を離して向き合う


「当たり前やろ。意識しなくていい方法があるなら教えて欲しいわ」



そう言って、私の唇にキスを落とした

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