「精市!」
私は思いっきり病室のドアを開けた
白いベット、白い部屋、白いカーテン。 全て白
唯一の色は精市の服の水色だけ
やけに大きく響く機械の音 独特のその音に顔をしかめた
ベットには、精市が寝ていた
「精市……」
その場にどさりと、しゃがみこむ
カバンのチャックが開いていたらしく中 から、教科書等が出るがそんなのはどう でもよかった
精市の顔は昨日会ったときよりも白い
「精市…ね、精市?生きてるよね……? 」
涙が頬をつたっていく
死んでしまったら、どうしよう
目を覚まさなかったら、どうしよう
そんな不安ばかりが私の頭の中を埋め尽 くしてゆく
「精市……」
もし、神様がいたとして
精市を目覚めさせてくれたなら
私は、ずっと伝えられなかった言葉を言 おう
そして、私はあなたにーー…
恋を全て捧げよう