二度とかなわない | ナノ
 







『あの、折原臨也と平和島静雄が付き合ってるって噂聞いたことあるか?』
『知ってる知ってる!イザシズはやっぱ王道だよね?』
『喧嘩ばっかしてるあいつらが?ないだろ』
『わかってないな、そこがいいんじゃない!』
『まあまあ…で、その平和島静雄と折原臨也が別れたらしい』
『えええええええちょっと待って落ち着こうイザイザとシズシズはいちゃいちゃらぶらぶちゅっちゅでしょ?』
『お前が落ちつけよ』





昼間からこの掲示板にいる奴らも暇なものだ、と思う。
その掲示板を眺めている自分が言うことでもないのだけれど正直こうも反応が返ってくるとは思っていなかった。
ふと携帯を見るとメール受信のお知らせが表示されていたので受信ボックスを開くと、門田京平…臨也がドタチンと呼んでいる男からだった。メールの内容を見る限りでは彼が送ってきたのではなく彼と一緒にいる狩沢という女性が彼の携帯をかりメールを送信したのだろうと想像がついた。




『イザイザ!シズシズと別れたって本当?kwsk』



思わず臨也は笑みをこぼす。
きっと門田は今日が何月何日か気づいているに違いない。それでいて狩沢に携帯をかしたのだろう。
それに何より臨也と静雄が別れるなんてことは臨也も、静雄も想像すらできないほどあり得ないことなのである。



『ドタチンに聞いたらどうかな、きっとわかってるんだと思うけど』



そう、今日は四月一日。
四月一日に付いた嘘は、決して実現することがないそうだ。






「俺とシズちゃんが別れるなんて、あり得るわけないでしょう」








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