「よし。これでいい。」
「良くねぇよ」
言葉とともに俺の頭に激痛が走った。原因は分かっている…シズちゃん。
「なんでー、良いじゃんとってもかわいいよ?」
「可愛いとかの問題じゃねぇよ、着てる途中からうすうす気づいてはいたけどよぉ…、これ女物だろうが手前」
「うん。あたりまえじゃない。」
「死ねノミ蟲」
シズちゃんの女物の浴衣姿をばっちりと写真に収めたところでパソコンを投げられそうになったので大人しく男物の浴衣を渡す。
「あるなら最初っから渡せよ馬鹿」
「もしなかったら着ててくれたの?」
「誰が着るか馬鹿。」
馬鹿としか言われてない気がするけどもうそんなことには慣れた。
俺たちがなぜ浴衣を着ているかといえば今日は花火大会兼夏祭りで。
俺が誘ったら絶対嫌がると思ったのに案外素直にシズちゃんはオッケーしてくれた。
「さて、シズちゃん。何食べよっか?」
「…たこやき、あんのか?」
「あるんじゃないかなー」
「食う。」
「あー…うん、まずはちゃんと店見ようね」
出店を見て回るとシズちゃんのお目当てのたこやきは2店ほどあり、そのうち結構並んでいる方の店のたこ焼きを買った。
川原に座って花火が打ち上げるのを待ちながらたこ焼きを頬張るシズちゃんがかわいい。
「あふい」
「なんて言ってんのか全くわからないけど?」
「あふいっへひっへんはほ」
俺が笑っているとシズちゃんはむすっとしながらも満足そうで嬉しくなる。
「臨也、」
「んー?たこ焼きくれるの?」
「す、 」
シズちゃんのほうを向いて、シズちゃんの言葉を聞こうとした瞬間に花火が打ち上げられる。
歓声と爆音ともにシズちゃんの声はかき消され、同時に彼の顔は真っ赤に染まった。
「ごめん、シズちゃん…なんて?」
「…っ、なんでもねぇ!」
「ねぇなんて言ったのさー」
「うるせぇ!黙って花火でも見てろ!」
言葉どおりに花火を見上げるふりをして、隣に座るシズちゃんを見る。
耳が真っ赤に染まっていて。さっきは花火の色かと思ったけど、間違いなく彼の熱がこもっている証拠で。
聞こえなかった振りをしたけれど、きっとシズちゃんが言ったのは……
「ねぇシズちゃん、」
「あ゛?」
「…すき」
耳打ちして言うと、瞬時に耳を押さえて跳ねのくシズちゃんに、とても欲情した。
♂♀♂♀♂♀♂
なにこのベタなの……!
最後のほう書いてる途中でリンゴ飴にすればよかったと思った。
そして最後の一行が全てを台無しにした!ww
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