7/7 | ナノ
 







ピーンポーン…ピーンポーン



「いらっしゃい、シズちゃん。」

「…おう、」


今日は七夕、おり姫と彦星が一年に一度だけ会えるという日らしい。
あまり七夕というもの自体には興味はないんだけれど、臨也が「一緒に星でも眺めない?」
とか言いやがるもんだから仕事が終わってからわざわざ新宿までやってきた。


「シズちゃんは何飲むー?ビールとか…、あっカクテルもあるよ」

「別になんでもいいけどよ…今日星とか見れんのか?」

「まぁ、多少曇ってても見えると思うよ?何、意外と楽しみにしてたの?」


苦笑しながらカクテルを俺の分と自分の分を持ち、こっちに来る臨也。
まだ立ったままだった俺をソファーに座らせ、その隣に腰掛ける。


「はい、どーぞ」

「さんきゅ」


星なんて見るようなキャラじゃねぇけど、こうやっておとなしく臨也の家にやってきたってことは少なからず楽しみにしていたのかもしれねぇ。


「なぁ、」

「ん?なーに?」

「なんで織姫は普通に姫なのに彦星だけ星なんだ?」


前から疑問だった事を投げかけてみる。情報屋なんて馬鹿みてぇな職業名乗ってるくらいだからきっと知ってるだろう。
テレビに目を向けたままだった俺は隣からの視線を感じ、臨也の顔を見た。



「それはね?こと座の1等星ベガは、中国・日本の七夕伝説では織姫星(織女星)として知られている。織姫は天帝の娘で、機織の上手な働き者の娘であった。
夏彦星(彦星、牽牛星)は、わし座のアルタイルである。夏彦もまた働き者であり、天帝は二人の結婚を認めた。
めでたく夫婦となったが夫婦生活が楽しく、織姫は機を織らなくなり、夏彦は牛を追わなくなった。このため天帝は怒り、二人を天の川を隔てて引き離したが、年に1度、7月7日だけ天帝は会うことをゆるし、天の川にどこからかやってきたカササギが橋を架けてくれ会うことができた。
しかし7月7日に雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫は渡ることができず夏彦も彼女に会うことができない。
星の逢引であることから、七夕には星あい(星合い、星合)という別名がある。また、この日に降る雨は催涙雨とも呼ばれる。催涙雨は織姫と夏彦が流す涙といわれている。」


「長ぇし意味わかんねぇよ」


「んー、少しばかり頭の悪いシズちゃんにも分かりやすく言うと、つまり織姫ももともとは織姫星として知られていて、
あ、ホントはこと座の1等星ベガってことはもちろん知ってるよね?で、彦星も夏彦星なんて呼ばれたりしているって話。」




あれだけ長い説明の後にまた微妙に長い説明をされると、どうも後の説明がとても短く聞こえる。
最初からこっちを話せばいいんじゃねぇのか?



「あはは、シズちゃん理解してないでしょ」

「うっせぇな。してるっつの」



ほんとかなあ、なんていいながら窓に向かう臨也の足取りは軽く、窓越しに空を見上げてから手まねきをされた。



「ほら、会えたみたいだよ」

「そうか。よかったな」










(シズちゃんも俺に会えなかったら泣いてくれる?)
(何の話だよ)
(…やっぱりさっきの話途中から聞いてなかったでしょ)
(もう一回ゆっくり話すなら聞いてやる)







♂♀♂♀♂♀

長い………説明うぜぇ
説明はWikipediaから引用しましたー
久しぶりの更新がこれで良いのか。





「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -