「さっき、円堂に聞いたよ」
「何を?」
「お前、サッカー上手いんだってな」
「まあ、オレもアメリカで頑張ってるけど‥‥彼らとやって、まだまだだなって思いました」
「あいつら、凄いだろ?俺もあいつらと一緒に、サッカーやりたかったんだ。そうすれば、何か変われたかもしれない」
「‥‥今からでも、遅くないんじゃないかな」
「え?」
「オレが言うことじゃないですね、すみません。‥‥本当に、好きなんですね。サッカー」
「そうだな、自分でもびっくりするくらいだよ。一度は諦めたのに、結局ここに戻ってるんだ。一之瀬だって、好きだろ?」
「好き、ですよ。すごく」
「ならずっと、続けろよ。俺みたいに諦めないで、さ」
「‥‥もちろん、諦める気はないです」
(芽生えた感情は、心に深く根を張る)
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