(愛情表現の話/松半)
「でさぁ、その時あいつがー」
「ふーん」
「ちょっと人の話聞いてるわけ?」
「聞いてる聞いてる」
「‥‥‥えいっ」
「うわ、やめろよ!くはっ‥‥ははっ、もう、くすぐんなって!」
「ちゃんと話聞いてないからいけないんだよーだ」
「ふはっ、き、聞いてたってば!」
「まぁこれも一種の愛情ってやつ?」
「いい加減に、しろ!‥‥ったく、愛情表現の仕方が間違ってるんだよ、おまえは」
「じゃあどんなのがいいのさ」
「え、言葉‥‥とか?」
「真一、好き」
「‥‥‥」
「何その顔!言った通りにしたじゃん!」
「うん、まぁ、人には向き不向きってもんがあるんだよな」
「ひっどいなー、これでも女の子口説くのには慣れてるんだよ?」
「‥‥ふーん」
「あ、何?もしかして嫉妬?」
「違いますー」
「安心してよ、僕には真一だけだから」
「あっそ」
「嬉しそうにしちゃってさ」
(‥‥‥嬉しい、よ)
(090627)
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