(嘘つきの話/佐久間と源田)
「また、戻ってきちまったな」
「ああ」
「また、負けちまったな」
「‥‥‥ああ」
「馬鹿だよ、俺もお前も」
「でも嬉しかった。どんなに頑張っても見ることが出来なかった鬼道が見ている世界を、少しでも覗けて」
「それでも馬鹿だ。二度とサッカーが出来なくなる、という意味がわかっていなかったのかもしれないな」
「‥‥二度と、ね」
「佐久間、お前」
「次にサッカーやるときは鬼道と一緒に皇帝ペンギン2号で決まりだな。昔の帝国イレブンで集まって‥‥久しぶりにいつもの三人でデスゾーンとか」
「そう、だな」
「雷門の奴ら呼んで、フットボールフロンティアの時の雪辱戦やろうぜ」
「そりゃ最高だ」
「なあ、源田」
「なんだ」
「オレは、今、笑えてるか?」
「‥‥‥ああ」
「そう、か」
なんて優しく嘘つきな貴方
(090627)
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