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※高校生/皆同じ学校

「今日は転校生がいます。」
そう言って穏やかに笑う、担任である吉良瞳子先生は美人だが、実は怒るととても恐いので、うちのクラスの人は先生の話をとても静かに聞いている。昨年までは手のつけようがなかった不動ですら、吉良先生の前ではとてもおとなしく、いたって真面目な生徒であるのだから、この恐さはたやすく想像していただけるのではないかと思う。
「夏原美色(なつはらみしき)っていいます。よろしくお願いします。」
高校生になってさすがの超次元もツインテールは希少種となったのだが、彼女はそのうちの一人らしい。大変可愛らしいのだが、何故かツインテールが似合わないと言う疑問を抱かせてくれる。風丸がやった方が似合うとは何事か。…というか誰か大阪CCCのゆりあちゃん連れて来い。
「ね、名前、不動、ツインテ似合ってないよねぶふ」
「ちょ、忍ちゃんそれじゃあ不動がツインテ似合わないみたいじゃんぶはっ」
笑いを必死で堪える忍ちゃんの横を通り過ぎて不動の隣の席にちょこんと座った転校生は、不動を見て、笑顔で挨拶をしている。
「なんか不動くんって、カッコイイね。」
「ぶはっ!あ、あたま、あたま見てあげてー!」
「きゃははははは!ぬ、ぬけ、抜けたんだろおっ!あっはっはっはっはっ!」
「やっあっはは、忍ちゃん、それは言っちゃいけないでしょあはははははは!」
「えっ!?私、そんなつもりじゃ…」
視界に入った佐久間が机に突っ伏して肩を震わせている。どうやら聞こえているらしい。佐久間の隣に座っている風丸は、呆れたような目でこちらの様子を伺っている。笑ってあげようよ。小鳥遊ちゃんと佐久間とひいひい言っていると、「苗字さん、小鳥遊さん。それから佐久間くん…廊下に立ってなさい。」私たちは般若を見た。
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