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今日こそ幼なじみという関係を断ち切ろうと決意をこめて立ち上がれば、がたんと座っていた椅子が大きな音をたてた。かばんから取り出した鮮やかな緑の空がプリントされた便箋には"立向居へ"と書かれている。緊張、している。立向居がいるわけじゃないのに、心臓はどきどきと脈打っていた。「あの、」「はい?」「その、これ、渡しておいてくれませんか」「うん、いいよー」「その、よろしくお願いします…!」右手で受けとった便箋は可愛らしい桃色の花柄だった。戸田くんにかな?ひっくり返すと、"立向居くんへ"と可愛らしい文字で書かれていた。そういえばさっきの子、可愛かった、な。ぐしゃり。左手の中の鮮やかな空が潰れた。
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