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ポケモンは解放するべきなんだ。そう力強く言った彼にわたしは微笑む。哀しさと、寂しさと、虚しさと、やる瀬なさと、愛しさと、優しさと、ほんの少しの涙を滲ませて、わたしは微笑む。「トモダチのことはわかるけど、ナマエのことはさっぱりわからないよ」いいえ。あなたはトモダチのこともほんの少ししかわかっていないのです。それがわかったとき、きっとあなたはわたしのことを、ほんの少しわかってくれるようになるでしょう。わたしは待っているから、だからいつか、そっと手を差し延べて温かく抱きしめてください。行ってくるよ。悲しげに呟く彼の手をそっと包んで、わたしはいろいろな感情をごちゃごちゃに混ぜ込んで微笑んだ。
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