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今にも掻き消えてしまいそうなその体を抱きしめて、耳元で愛を囁きたいと思った。長い黒髪をくるくると指先で回しながら、わたしは冷たい表情で思考を巡らせている。浴びせられる罵倒はわたしが生きているという証。緩やかに冷たく笑うわたしのこの感情は誰にも悟らせず、わたしの中のパンドラの柩(ハコ)へとそっとしまっておく。それがわたしの覚悟だ。
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