short | ナノ






「足痛い」「そんな高いヒールばっか履いてるからだろ」「お洒落なのー」蒸し、暑い。気温と湿度が半端なく高いある夏の日。星がきらきらと瞬く時間帯。人気の無い静まり返った住宅街。そんな場所を2人は歩いていた。「キルアさぁ」「なんだよ」「この靴嫌いでしょー」「…別に」「じゃあ次出かけるときもこれ履くけど」「…」「嫌なんじゃん」「…別に」「身長」「は?」「私の方が低いじゃん?いつもは」「…」「キルアを見るときにね、首痛くなるの」「…」「だから、足痛くても我慢してこれ履く」「ばっかじゃねーの」「顔赤いけど」「ばっかじゃねーの!」「…」「…」「…」「乗れば」「え、」「足痛いんだろ」「うん」「…お」「もくないでしょ」「…」キルアは、私がキルアと同じくらいの身長になってしまうのが嫌、らしい。でもこの靴を履くと、帰り道は必ずおんぶしてくれる。私はそれが凄く好き。だからまた今度、この靴を履いて、私はキルアにおんぶしてもらう。それが我が儘だってわかってるからちょっと申し訳なくて、私はごめんねとありがとうをつぶやいた。星はきらきらと瞬いていた。


キルアは実は全部わかってくれてるといい
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -