short | ナノ






「滅びろ。」
「真顔で何言ってんだお前。」
ひかれている。シャーペンと消しゴムをぺいっと投げ出して、ノートとプリントの山に頭を突っ込んでみても現実は何も変わらない。いや、変わる。どんどん悪い事態になっていってる。だからといって今更何をしたところで結果はほんの数点しか変わらない。何を言いたいのかというと、高校2年生にして留年の危機。これは冗談抜きの超真剣な親と一緒の三者面談時に言われたので確実だ。どうしようね。
「どうしようね。」
「どうしようねじゃないだろ、ほら、少しでも公式覚えろ。今そんなんで来年どうするんだよ。」
「来年…ニートする…。」
「お前なぁ…。」
呆れたようにため息をつく佐久間のせいで心が折れた。折れたよほら。君の彼女の心折れたよー。
「わかれるぞ。」
「…。」
無言で起き上がりおとなしくシャーペンを握る。私超佐久間好きだね。しかし、わからないものはわからないのだ。うんうん唸っていると、見かねたらしい佐久間がそっとプリントの隅に公式を連ねた。
「これ使えば解けるはず。」
「はず?」
「お前馬鹿だからちゃんと使えるかなぁ…。」
失礼な。でも確かに私は馬鹿なので何も言い返せない。というか佐久間は頭良すぎ。毎回5番以内とか逆に頭大丈夫かと言いたくなるが、冷たい目で見られるだろうから黙っておく。…ちょっと私利口?頭良い?
「また変なこと考えてるだろ。」
「え?」
「いいからほら、早くやれよ。」
「うーん…?」
「わからないのか?」
「うん。」
「…馬鹿。」
「…。」
「お前、ホントに留年かもな。」
「そしたら学校やめて花嫁修行する。」
「…。」
「何?」
「そうなったら俺が大学卒業する頃迎えに行ってやるよ。」
「…。」
「…どうした?」
「もう今からでも修行してこようか。」
「将来結婚するなら相手の学歴は最低でも高卒じゃないと。」
「くっそおおお!悪魔!悪魔!ペンギン!頑張るわ馬鹿!ちくしょう!」
「おー。」
私はぎゅっとシャーペンを握りしめ、プリントを睨み始めた。




「へぇー!佐久間先生の高校時代って青春!って感じですね!」
「そうか…?」
「結局留年したわけ?」
「いや倉間お前敬語…まぁいっか。ほら私先生だろ。これでも大卒済みだからね?」
「未来は明るい。」
「どういう意味だおいこら倉間。」ぎゅーっと倉間の頬をつねると、体罰!とか叫んできやがったのでぱっと手を離すと、容赦ねぇこのババアとかほざくので今度夫直伝烈風ダッシュでもおみまいしてやんよ!!
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