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4歳児罪口さんと沢田君


「クリップだわ」
「あ、クリップ、好き…なの?」

クリップ好きかって4歳児に何言ってるんだろう俺。目の前にいる少女…というか幼女は、俺のよくわからない問いを軽く無視して、無表情のままクリップの形を変えはじめた。

「きりん」
「え?」
「ねこ」
「えっ!?」
「ひつじ」
「すごい!すごいよ罪口さん!」
「…」
「?」
「わたし名前を言った記憶が無いわ」
「…」
「…」
「そ、そうだっけ…?あはは…」
「あなたの名前は?」
「つ、つなよし…」
「あなた将軍?」
「えぇ!?」
「ふっ」
「(鼻で笑われた…)」
「あなたモデルガンとか持ってないの?」
「え、無い、けど」
「ふぅん」
「(それだけ!?)」
「クリップが欲しいわ」
「好き、なんだね…その…クリップ…」
「割とね」
「め、珍しいね…」
「4歳児相手におどおどする人も珍しいと思うの」
「(俺馬鹿にされてる!?)」
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