whiteoutなんだかとても、眠かった。間違いなく、私たちは疲れていたのだ。体だけではない。心が、である。駅のホームに立って、おそらくみんなそろって一息ついた、そのときだった。ぐらりと傾くいっちゃんが崩子ちゃんと入れ代わり、さらに萌太くんと入れ代わり。スローモーションのように、写った。
「あぁ…そっか」
近付く。近付く。近付く。近付く。近付く。
「いー兄、ナマエ姉、崩子を、お願いします。」
死なせたくなかった。素早く飛び降りて二の腕のあたりをぐっと引っ張ったが、萌太は動こうとせずレールの上に座り込んでいる。もう、間に合わない。
「ナマエ姉!」
「…二人とも、真心によろしく言っておいてよ。妹なんだ。」
ごめんね、ありがとう。列車の音で掻き消されて上手く聞こえたかなんてわからない。眩しくて思わず目を閉じると視界が真っ白に。そして、鋭い痛みが走った。