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09:19


リボーンによって倉庫前へ連れていかれたいつもの3人は、その倉庫の惨状を見て目を丸くした。倉庫の扉は刔り取られたようにぽっかりと穴があいており、その穴の向こうにはそこにあるはずの予備品や備蓄品などの代わりに倉庫の向こうがわにあるはずの、本来ならば見えないはずの草木が見えていた。

「な、なにこれー!?」
「確実に雲雀は怒るっスね…」
「すげーなー」
「おーツナじゃん、ひっさしぶりー」
「あ、出夢くん…」
「ん?ぎゃはっ、こりゃ派手にやったなぁ」
「え!誰がやったのか知ってるの?」
「見てたわけじゃねぇが、こりゃ多分名前の蹴りだぜ」
「け、蹴り…?」
「そ。蹴り」
「で、でも罪口さんにそんな…」
「あいつが怒ったりイラついたりしたときの足の単純な力は僕よりも上だ。これくらいできて当然ってもんだぜぇ?ぎゃははは!」
「……」
「すげーんだな!」

何かに感心するいつもの山本と、何故かきらきらとしている獄寺くんに今話しかけたのならきっと面倒なことになると察したこれは超直感とかそういうのではなく、多分普通のことだと思うのだけれど。なにはともあれ罪口さんは一応"普通"に入る女の子だと思っていたのにと、ツナはそう心の中で呟いて、小学校も一緒だったはずの罪口名前が一体どうしてこのような破壊力を所持しているのだろうかと遠い目をしてため息をついた。
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テーマ「人外ファンタジー」
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