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She is my . . .


狐の男、西東天にとって私という存在はイレギュラーで、けれどさしたる障害にはならない、らしい。
でもそれは、私にも言えること。
何故なら、互いの目的はものの見事に入れ違っているから、だ。
だから私がいっちゃんに手を貸している状態である今だって、言うなれば仮染めのもの。なんてね。私はもう、一人では生きていけないみたいだ。


「狐の人」
「"狐の人"か、ふん、まぁいいだろう。なんだ?」
「闇口壊常はどこにいる?」
「お前の目的はあいつってわけか。指名手配中の女が何故とは思っていたが、ふん、なるほどな。そういうことか」
「…」
「あいつはここにはいない」
「そう」

私はそれっきり、口を開かなかった。




音も無く駆け出した2人の先にいるオレンジ色の髪をした彼女には見覚えがあった。私は、知っていた。だからこそ信じられなかった。この狐の人が、彼女を従わせるだとかそんなの、できっこない。駄目だ、駄目なんだ。2人を止めなきゃ、彼女には、
私はかばんを捨て去り、駆け出した。
もしかしたら、否、それはただの無駄な行為だろう。それでも私はそれがただのエゴであっても、自分の妹が誰かを傷付けるところは見たくなかった。
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