独言を呟く少女の欺瞞
「マフィアが学校でどんぱちやるだなんて嫌な世の中になったですねえ」
ヒメちゃんびっくりです。そう言った少女は笑っていた。頭の悪そうな見た目に反して策士な彼女は、けれどそれを誰にも悟らせない。
少女は演じ続ける。
滑稽なまでに完璧に。
かの最強すらも出し抜きかけた少女は、無垢で純粋な、血に塗れた笑顔を見せる。
少女は確かに異常だった。幸せになりたくて。けれど幸せになるには殺しすぎていて。血を浴びすぎていて。
かつてのジグザグは、今も幸せを求めている。骨董アパートでのあの幸せな日々を。
見知らぬ土地で生を受けた今も、求め続けている。