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「沢田たち、今日から学校あんまり来ないと思うぜ」
日付が今日に変わって54分たったころに出夢が言っていた言葉を、今思い出した。屋上からはかすかに金属音が聞こえている。1人に1人の家庭教師とやらがつくらしい。一応私の家庭教師は出夢なのだが、私に特訓をつけるのは"意味が無い"そうだ。技術はもちろん経験に関してもほぼ問題が無いためであるし、そもそも出夢は誰かに何かを教える柄ではない。ただ、1つ不安な点をあげるとすれば体力だが、今さら体力をつけ始めたところで雀の涙だろう。そもそも、体力という不安要素が目立つほどだらだら相手と殺りあう必要は無い。私自身のプレイスタイルも、今は長引けば不利なだけである。だからといっていまさら……もう、遅い。
「沢田君たち、どんなことやってるの?」
「崖登り」
「……」
「……」
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テーマ「人外ファンタジー」
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