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「このことこのことこのことこのことこのことこのことこのこと……」
「それ全部持ってくのか?」
「……だって試作品だし、相手がどんな人かもわからないし」
「理澄に言って調べさせたほうがいいんじゃねーの?」
「……相手は暗殺部隊だから、危ないよ」
「そんなヘマしねぇよ。理澄だぜ?」
「んー……」
「……じゃああんまり大きくなくて、服に忍び込ませられるようなやつにしようぜ。その方が様子見とかできんだろ」
「そうだね。じゃあこのこたちにする」
武器を使わない出夢にしてみれば、どう使うのかもわからない不思議な形をした刃物ばかりである。どうやら今のブームは刃物らしい。銃弾を避けられるやつなんて今やそうそういたりはしないのだし、確実に仕留めるならば銃器重火器の類いで良さそうなものである。
「銃はいーのか?」
「んー……気分じゃない……」
気分じゃないらしい。だが本番になったらそういう気分になっているかもしれない。彼女もそれはわかっているらしい。気分じゃないとか言いながら、刃物の山から1丁の拳銃を取り出した。
「これね、ジェリコって言うの。戯言遣いさんが持ってた」
「あー……だったかもしんねぇなぁ、ぎゃは」
「ありえないなんてことはありえない。でも私の勝ちは揺るがない。出夢が勝てない相手には私も勝てないけど、出夢が勝てない相手はなかなかいない。それは、ここも、同じ?」
「ぎゃははっ!僕を誰だと思ってるんだ?匂宮出夢は今んとこ全戦全勝負け無しだぜ」
「愚問だったみたい。安心安心」
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