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19:08


「名前」
「…話、終わった?」
「あぁ。」
古びた病院だが清潔感のある壁に寄りかかって、出夢を迎えた。なんだか難しい顔をしている出夢に似合わないよと呟くと、少し俯けていた顔を上げ、私と目を合わせた。言葉を選んだりなんて苦手なくせに、わざわざ迷いながら口を小さく開いた出夢の言葉に被せるように、声を出した。
「私は、出夢についていくよ」
「……」
「迷うなら巻き込んでよ。絶対に死なないなんて言えないけど、前みたいなことにはならない。約束する」
「……沢田綱吉は、マフィアの中で一番強いボンゴレってとこの10代目候補だ」
「うん」
「だが、もう一人10代目候補がいる。そいつと10代目の座を争う……いわば戦争をしなきゃならなくなった。僕はボンゴレ……つまり9代目に雇われてっから、戦争に直接手は出せねぇ。が、相手は暗殺部隊。向こうにしてみりゃ沢田勢は幼児同然だからな。戦力が欲しいらしい。……名前、頼む。力を貸してくれ」
「うん、喜んで」
笑って、出夢から手渡された指輪をしっかりと握りしめた。
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