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「カクカクシカジカというわけです」
「うんうんなるほどね」
「わかるのかよ!」
玖渚機関…というよりは、友ちゃんのお兄さんから一時的にお借りしているホテルの一室に、私といっちゃんと友ちゃんの三人でいた。私は床に正座をして、その正面にはベッドに腰掛けて足をぱたぱたとさせている友ちゃん。いっちゃんは少し離れたところで椅子に座り足を組んでいた。
「ところでなんで友ちゃんはここに?」
「いーちゃんの浮気生活を見学しにー」
「おい」
「まぁ冗談はおいといて…」
シンプルなデザインの手提げかばんから3枚程の紙をすいっと取り出し、私に手渡された。
「…いっちゃん。次期ボス…沢田の監視が終わったらすぐにこの町を出ましょう」
「本当は、名前ちゃんには今すぐ出てほしいんだけどね。いーちゃんだけ残していくとだいたい面倒なことになるから」
紙もとい資料を読み終えたいっちゃんがため息をついて、そばにあったごみ箱にぐしゃぐしゃにして投げ捨てた。
「名前ちゃん」
「はい」
「"監視"って気づいてたんだね」
「…えへ」
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