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デルタのみんなでカラオケ


「ねぇ半田、この雨じゃ練習は無理だし帰りにどっか寄っていこうよ」
「あぁ、じゃあカラオケに行かね?」
「いいね、歌声も半端か確かめてあげるよ」
「半端じゃねぇし!」
「あれ、円堂と風丸と…名前?いいところに」
「何が?」
「これからカラオケに行こうよ」
「へぇ、俺はいいぜ。円堂と名前は?」
「行く行く!」
「円堂は元気ね…。私はやめとく」
「え?今日暇だって言って、」
「ないよ。暇じゃないんだもう忙しくて忙しくて…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…な、なに」
「行こうか」
「え」
「僕、名前の歌楽しみだなー」
「えええ」





「じゃあ僕、一番最初に歌うね」
「はいはいどーぞマックスさん」
「(苗字が凄い投げやりだ…)」

「ありがとおーってつたーえたーくてーえー」

「う、うまい…」
「想像通りというかなんというか…」
「すげー!」
「しかも女性アーティストだぜ」
「声綺麗なんだけど(いらっ)」
「(苗字怖ぇぇぇぇ)」
「あ、次、半田入れとけよ」
「お、おう」

「がらす、だまひーとつおとされたぁ」

「…半田のくせに」
「…半端のくせに」
「すげー!」
「へぇ、なんか意外だな」
「もうほら、次円堂入れちゃいなよ」
「あぁ、えっとー」
「迷う?」
「これとかいいんじゃないか?」
「えー、それ難しいでしょ。円堂にはこれがいいと思う」

「おわーおわーおー、おーいえーおたけび」

「…なんていうか」
「微妙?」
「いや酷い」
「昔はもっと酷かったんだぜ」
「まだマシなの?」
「風丸のおかげか」
「ほっ…」
「あれー?苗字ってばなんで安心してんのー?」
「ウザい…マックスがウザい…」
「次風丸な」
「あぁ…じゃあこれで」

「たとえひのなかみずのかくさのなかーもーりぃのなっかー」

「こ、これは…!!!」
「プロか!」
「選曲…」
「風丸、これが一番上手いんだよ」
「採点入れておけばよかったね」
「なんか俺感動した」
「私も」
「感動するのはいいけど次苗字だからね」
「うっ…。いや私はやっぱり歌わないよ、聞いてる」
「入れちゃった(きらっ)」「ええマックスえええ」
「どんまい」
「ほら始まるよ」

「うわっあ、て、てーちょおーひらくとーもおーにねーんたーつーなーってー」

「コメントしづらい」
「…普通」
「半田に普通って言われるとか」
「音は合ってんのにな」
「残念」
「そうか?俺、名前の歌好きだけどなー」
「そりゃ円堂はね。まぁ…聞けなくはないけど」
「い、言わせておけば…!マックスめ…歌が上手いからって…ちくしょう…」
「(可哀相な苗字…)」
「…半田に哀れんだ目で見られるのが一番つらい」
「おい苗字」
「どんまい」
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テーマ「人外ファンタジー」
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