Where should I go ?
書類の束を見つめながら、溜息。この暴力の世界とやらに、私の力は通用するのだろうか。
彼女…闇口壊常と、真正面から殺りあったとしたのなら、きっと私は勝てる。けれどあの時、彼女は本当に"逃げた"のだろうか。彼女は私に重傷を負わせた。けれど私は彼女に重傷とは言い難い傷を負わせた。それがどうも手の上で躍らされているような気がしてならない。例えば彼女に、私を逃がすメリットがあるのだとしたら?私が酒を持っているということを知っているとしたら?
「っくそ!」
狭い部屋の壁に書類をたたき付けると、ばさばさと紙が散らばっていく。いくら考えたとしても、意味はない。本人に聞かなければ、真実は永遠にわからないまま。例え聞いたとしても、それが真実かはわからないまま。
「歯痒い」
手の中にある瓶の中で、ゆらゆらと揺れる液体を見つめながら、ゆっくりと瞳を閉じた。