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unexpected


「きゃっ!」
なんというデジャヴ。私は前を歩く獄寺くんの背中を昨日よりも強く叩いた。
「おっはよー!」
「ってぇんだよ!」
「獄寺くん落ち着いて…!」
「みなみなさまぁ〜っ今日はどうなさいましたかー!?……ごめんさすがにこれは意味わからないわ」
おっと素が。
「わん」
小さい子犬が下駄箱の中で丸くなっていて、私は心の中でため息をついた。
「わあ、可愛い!ねぇどうするの、そのこ!」
無邪気な笑顔を浮かべて聞くと、「飼うよ」と小さく言った月匕に思わず首を傾げて「飼うの?」と呟いた。
「…駄目なの?」
彼女は演技派である。不安そうに言った彼女は目で肯定しろと言っているが、それは私だからこそわかるというものだ。
「ううん、駄目じゃないよ!」
にっこりと笑めば、嬉しそうに頬をゆるめて、周りの男(とくに獄寺)をときめかせている。
「でもよく飼おうと思ったね!私なら絶対思わないよ!」
「そりゃそうだろうな」
「だってまず、飼い主捜さない?普通」
「なっ!ば、馬鹿かテメェ、それくらい考えてるに決まってんだろうがよ!」
「えっ?何で照れてるの!?なんか可愛いね!」
「かっかわっ…!ふざけてんじゃねぇ!!」
いっちゃんには獄寺は意外と可愛いって報告しておこう。
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