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まるで、インフルエンザみたい。水浸しになったタオルをぎゅっと絞って、ナミの額にそっと乗せた。
「感染症の疑いもあるから、こまめに手洗いとうがいをしてね」
「いやぁ、まさかナマエにそんなスキルがあったとは」
「そういやナマエって何ができるんだ?」
「いや、なんでお前が知らないんだよ」
ひたすら首を傾げているルフィと、後ろでビシッとツッコミを入れているウソップに苦笑い。
「……できるだけ早く医者を見つけた方がいい。このまま悪化し続けたら、最悪……」
「ナミは死ぬのかァ!?」
「ダビダン死らバイベー!!」
「あああああああっ!」
「クエーッ!」
「うろたえないで!静かにっ!」
「医者を探すぞ!ナミを助けてもらおオオ!」
「わかったからっ!落ち着いて!病体に響くわ!」
「……だめよ。私のデスクの引き出しに新聞があるでしょ……?」
いいから皆落ち着けよ。ため息をつきながら成り行きを見守っていると、むくりと起きたナミが口を挟んだ。新聞を呼んだビビの言葉を要約すると、アラバスタは今、一刻の猶予もないような危険な状態らしい。なんとかっていうダニだかノミだかのせいなのはわかっているが、何か少しでも辛さを和らげる方法は無いものかと部屋の隅で本を読みながら頭を回転させる。勉強なんかさっぱりだが、こういう、生きていく上で必要な知識はハンターやってるときに叩き込んだつもりだった。しかし肝心なときにはさっぱり出てこない。イライラして少し強めに本を閉じた。
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テーマ「人外ファンタジー」
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