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late


登校してすぐべっちょべちょになった制服を脱ぎ捨てると、偶然通り掛かったいっちゃんに物凄く冷たい目で見られた。しかもスルーである。幸いタンクトップに染みる前だったので、風邪をひかずにはすむだろう。頬を引き攣らせた頃宵月匕を鼻で笑うと物凄い勢いで睨まれたので、やれやれと肩を竦めた。

「髪の毛どうしようかな…」

肌に張り付く色素の薄い髪をてぐしで梳きながらぽつりと呟くと、後頭部にばしっと音をたててタオルが激突した。

「貸してやる」
「貸してやる」
「ええええ…」
「どうした?」
「どうした?」

訝しげに顔を歪めているのはいまどきの女の子である。ベリーショートの髪は柔らかく煌めいていて、整った顔に良くにあう。

「…」
「…」

並盛のスカートからは細く引き締まった綺麗な足が伸びる。小柄で、けれど周囲に埋もれないまばゆさがある。可愛い。そう、可愛いのだ。全く同じ可愛さが、2つ。並んでいた。この双子……中学生じゃないよね?

「深空ちゃん、高海ちゃん、ありがとー!」
「「うるさい。遅い」」

手厳しい。
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